メールアドレスを目的に応じて使い分けることは重要です。
例えば、代表的なところでは、銀行や証券会社へ登録するメールアドレスと、知り合いとの連絡用のメールアドレス、インターネット上のショッピングサイトへの登録メールアドレスは分けて使用した方が良いでしょう。
理由は、メールアドレスの登録範囲を限定し、メールアドレスが流出した場合の被害防止と、不審なメールを受け取った時の行動の限定が挙げられます。
メールアドレスの登録範囲を限定し、メールアドレスが流出した場合の被害防止
メールアドレスの登録範囲を限定し、メールアドレスが流出した場合の被害防止という観点で考えます。
全ての利用目的で一つのメールアドレスを使用していた場合に、どこか一か所でメールアドレスが流出したとします。
犯罪(迷惑メール・フィッシングメール等)から回避するためには、メールアドレスを変更してすべての登録先のメールアドレスを変更する必要があります。
しかしながら、各種ユーザ登録情報のメールアドレス変更や知り合いへのメールアドレス変更要請をするのは非常に手間と時間がかかります。
そして、手間と時間をかけてメールアドレスを変更したとしても、またメールアドレスが流出した場合には、再度メールアドレスの変更のための手間と時間がかかります。
メールアドレスが流出する確率は、メールアドレスを登録した個所・教えた人の数に応じて増加していきます。
そのため、メールアドレスの流出確率を低下させるには、一つのメールアドレスの情報を保持している箇所の数を減らす必要があります。
また、メールアドレスの流出確率は登録した個所・教えた人の特性によって異なります。
メールアドレスの登録先が金融機関のようなセキュリティの厳しいところであれば、メールアドレスの流出確率は低いでしょう。
逆に、コンピュータに疎い知り合いにメールアドレスを教えた場合には、マルウェアなどのコンピュータウィルスに感染することで、メールアドレスが流出する危険性があります。
インターネット上のサイトへのメールアドレスの登録によるメールアドレスの流出可能性は、インターネット上のサイトの運営者によって異なります。
しかしながら、サイトへのハッキングなどにより、メールアドレスが流出する可能性は否定できません。
不審なメールを受け取った時の行動の限定
不審なメールを受け取った時の行動の限定という観点で考えます。
メールアドレスを目的別に使い分けていれば、目的外の相手からメールが届いた場合、異常を検知することができます。
例えば、知り合いとの連絡用のメールアドレスへ、銀行や証券会社を名乗るメールが届いた場合、そのメールアドレスは銀行や証券会社へは登録していないわけですから、フィッシングメールの可能性を疑うことができます。
また、インターネット上のショッピングサイトへ登録しているメールアドレスへ、知り合いを名乗るメールが届いた場合、興味を持たせてメールを開かせようとする迷惑メールや機密情報を盗むようなソーシャルエンジニアリングの可能性を疑うことができます。
このように、それぞれのメールアドレスの利用目的を明確にしておけば、異常なメールを受信したことを明確に検知することができます。
メールアドレスを何個ぐらい使い分けたら安全・快適に過ごせるのか?
使い分けのためのインフラ
現在、メールアドレスを複数個保有することは比較的簡単です。
例えば、フリーのメールアドレスである Microsoft が運営する Outlook.com や、Google が運営する gmail などが有名です。
また、複数のメールアドレスを管理することも比較的簡単になりました。
例えば、Windows Live Mail といったメールクライアントソフトを使用することで、複数のメールアドレスをまとめて管理できます。
最低限必要なメールアドレスの数
最低限上記で挙げたように、以下のメールアドレスは分けた方が良いでしょう。
- 銀行や証券会社へ登録するメールアドレス
- 知り合いとの連絡用のメールアドレス
- インターネット上のショッピングサイトへの登録メールアドレス
更に、人によっては以下の目的用のメールアドレスを用意するのが適切です。
- インターネット上で知り合った人との連絡用メールアドレス(本名でのやり取り)
- インターネット上で知り合った人との連絡用メールアドレス(ニックネームでのやり取り)
- インターネット上の Web サイトなどで公開するメールアドレス
- インターネット上の金銭のやり取りが発生しない Web サービス等への登録メールアドレス
- インターネット上の金銭のやり取りが発生する Web サービス等への登録メールアドレス
- メールアドレスは登録したくないが、どうしても登録しなければならない場合に、登録するメールアドレス(捨ててもよいメールアドレス)
安全・快適に過ごすために、初めは多少面倒でもメールアドレスの使い分けを行うことをお勧めします。
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