イントロダクション
確定申告を e-tax で行う場合には、事前準備として公的個人認証サービス利用者クライアントソフト(JPKI利用者ソフト)がパソコンにインストールされます。JPKI利用者ソフトをインストールすることで、住民基本台帳カードに格納された電子証明書を利用できるようになります。
JPKI利用者ソフトを使用することで、ICカードリーダライタが正常に認識されることや、住民基本台帳カードが認識されること、住民基本台帳カードに格納されている電子証明書が取得できることを確認することができます。
そこで、それらをチェックするために、インストールした JPKI利用者ソフトを起動させてみました。
すると、エラーが表示され、JPKI利用者ソフトの起動ができませんでした。
ここでは、そのエラーと、原因の推測を記載します。
前提条件
e-tax による確定申告を行うために利用したパソコンは、私のメインノートPC(VAIO VGN-FW92DS)です。主なスペックは次のとおりです。
OS : Windows Vista Business 64bit
Internet Explorer : 9.0.8112.16421
JPKI利用者ソフトの起動が行えない
Windows (Vista Business 64bit) のスタートメニューに登録された、公的個人認証サービスのフォルダ内にある「JPKI利用者ソフト」をクリックして、「JPKI利用者ソフト」を起動しようとしました。
すると、次のようなエラーメッセージが表示されました。
JPKI利用者ソフト JPKI利用者ソフトの環境に問題があります。 JPKI利用者ソフトを再インストールしてください。 |
Oh, なんということでしょう。
JPKI利用者ソフトの起動に失敗しました。
ソフトウェアからは、JPKI利用者ソフトの再インストールが指示されました。
そこで、次の確定申告のリンク先から、「4 公的個人認証サービス利用者クライアントソフトのインストール」の「「公的個人認証サービスクライアントソフトのインストール」ができる「平成26年分 事前準備セットアップ」(別ウィンドウで開きます。)」をクリックして、再度インストーラーをダウンロードして、JPKI利用者ソフトを上書き再インストールしました。
平成26年分 確定申告特集|国税庁
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/index.htm
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/index.htm
内の e-Taxをご利用になる場合の事前準備 を開く
さて、今度は正常に起動してくれるでしょうか?
同じように、JPKI利用者ソフトを起動してみます。
しかし、またしてもJPKI利用者ソフトの起動に失敗しました。
同じエラーダイアログが表示されました。
さて、どうするべきか。
こういう場合、一般的には国税庁の「e-Tax・作成コーナーヘルプデスク」といったしかるべき箇所に問い合わせをするわけですが、もう少し現在の環境について考えてみました。
JPKI利用者ソフトの情報は「公的個人認証サービス ポータルサイト」に、詳しく記載されています。
公的個人認証サービス ポータルサイト
http://www.jpki.go.jp/
http://www.jpki.go.jp/
そのページ内の、「利用者クライアントソフトのダウンロード」より、「ダウンロードとインストール(Windowsをご利用の方)」を開き、動作環境を確認してみます。
Windowsをご利用の方 : 公的個人認証サービス ポータルサイト
http://www.jpki.go.jp/download/win.html
http://www.jpki.go.jp/download/win.html
すると、対応する OS として、次の記述がありました。
対応するOS
Microsoft Windows 8.1 (32bit / 64bit) (注5)
Microsoft Windows 8 (32bit / 64bit) (注5)
Microsoft Windows 7 Service Pack1 (32bit / 64bit) (注1)
Microsoft Windows Vista Service Pack 2 (32bit) (注2)
Microsoft Windows Vista Service Pack 2 (32bit) (注2)
Microsoft Windows Vista Service Pack 2 (32bit) (注2)
Microsoft Windows Vista Service Pack 2 (32bit) (注2)
Σ(゚д゚;) < Vista だけ、64 bit 版の記載がない!?
このように、Windows Vista 以外の、Windows 7, 8, 8.1 には、32bit版・64bit版の両方の記載がありますが、Windows Vista には、64bit 版の記載がありません。
更に詳しく注2を読んでみると、
(注2)利用者クライアントソフトは64ビット版には対応しておりません。という記載があります。
どうやら、JPKI利用者ソフトは Windows Vista の 64bit 版では、動かないようです。
詳細には調査していませんが、e-tax を行うために Internet Explorer で表示した確定申告の画面にて、住民基本台帳カードに格納された電子証明書の取得のために、ICカードリーダライタへアクセスする場面でも、私のメインノートPCの Windows Vista Business 64bit では正常に住民基本台帳カードにアクセスすることができませんでした。
(なお、このあと Windows 7 Professional 上で、e-tax の作業を行ったのですが、Internet Explorer を管理者権限で起動していないと、ICカードリーダライタに差し込んだ住民基本台帳カードに格納された電子証明書が正常に読み込めないという現象を確認しました。
このときは、その現象を認知していなかったので Internet Explorer を管理者権限ではなく、ユーザ権限で起動していました。
そのため、Windows Vista Business 64bit の Internet Explorer 上の e-tax 処理で、ICカードリーダライタに差し込んだ住民基本台帳カードに格納された電子証明書が利用できないと断定はできません。
これを調べるよりも、早く確定申告を e-tax で行いたかったのと、JPKI利用者ソフトが正常に動かないのだから Internet Explorer 上でもおそらく無理だろうと思ったので、私のサブノートPC(VAIO:VPCY21AGJ)であるWindows 7 Professional のパソコンで e-tax を行うことにしました。)
しかし、まだこのトラブルは、これから待ち受けるトラブルの序章にすぎませんでした。
次回:
e-tax:VAIOに搭載されているFeliCaポートでは、e-Tax非対応http://upa-pc.blogspot.com/2015/03/e-tax-trouble-vaio-felica.html
まとめ
公的個人認証サービス利用者クライアントソフト(JPKI利用者ソフト)は、64bit版のWindows Vista では、起動すら行えませんでした。いろいろな OS を搭載したパソコンを持っていると、このようなトラブルに遭遇した時でも、すぐに他の対処方法を選択できるため、便利だと実感しました。
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