イントロダクション - シリーズ安全な画像処理
写真や映像の中に、個人情報などの外部へ公開してはならない情報が含まれていた場合には、一般的に情報保護のため、モザイクやぼかし、塗りつぶしなどの処理を行い、その情報が見えないようにします。元の画像 |
塗りつぶし |
モザイク処理 |
ぼかし処理 |
しかし、それらの処理を行うときには、いくつかの注意点があります。
基本的に、人間基準で、見た目的に認識できないかどうかで判断してはいけません。
いまや、コンピュータを使用した解析により、相当数の計算を行える時代です。計算の仕方によっては、元々の情報を復元できてしまう可能性があります。
今回は、モザイク処理をすることで情報を見えなくする方法について、考えてみます。
他のシリーズはこちら
絶対にやってはならない、情報保護のための、塗りつぶし処理の方法 - シリーズ安全な画像処理
情報保護のためのぼかしは安全か? - シリーズ安全な画像処理
情報保護のためのモザイク処理として、絶対にやってはならない方法
モザイクの粒度が荒くないモザイク処理
モザイクの粒度が十分に粗くないモザイク処理は、元の情報を復元・推測される恐れがあるため危険です。
「モザイクで隠された読めない文字」を復元・解読する方法!? | ガジェット通信
http://getnews.jp/archives/306017
http://getnews.jp/archives/306017
なお、これらの画像処理は不可逆な処理(情報にある処理を行うと、通常元に戻すことができない)を想定していますが、画像処理フィルターには、可逆な処理(元の情報と、処理後の情報を相互に変換することができる)を行えるものもあるため、注意が必要です。
画像でモザイク加工等した部分を、元に戻されてしまうかどうか(フィル... - Yahoo!知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1239508682
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1239508682
対策
モザイクの粒度が荒くないモザイク処理に対する対策
十分な強さのモザイク処理を行います。どのくらいが十分な強さなのかわからない場合や保護対象が非常に重要な情報の場合には、モザイクではなく、完全に不透明な色での塗りつぶしによる情報保護を行った方が良いでしょう。
また、どうしてもモザイクのような表現手法を使用したい場合には、モザイクを行う前に、それらを適用する領域に不可逆な変形処理を適用することや強いノイズを加えるなどの方法により、万が一不十分な強度のモザイク処理であったとしても、元の情報を復元しにくくする方法もあります。
人はミスを犯すことを前提とした対策や、個人が認知できる情報の範囲には限界があることと、個人が想像するよりもテクノロジーはどんどん進化していることを踏まえた対策をしましょう。
確実に元の情報を消すには、元の情報を完全に失わせる「完全不透明色」による塗りつぶしが一番でしょう。
まとめ
モザイク処理を使用して情報を保護するには、モザイクの大きさが情報を保護するのに十分な大きさなのか検討する必要があります。コンピュータのテクノロジーは、人間がそのまま見ただけでは分からない・理解できないことを、人間が理解できる形へと変換できる力があります。
不特定多数へ画像・映像情報を発信する場合には、このような点に気を付ける必要があります。
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